地域包括支援センター

「地域包括支援センター」は、全ての高齢者の暮らしを地域でサポートするために設けられている機関です。地域包括支援センターの相談対象には、要介護認定の有無などの制限がありません。高齢者本人や家族はもちろん、地域住民からの相談を幅広く受けています。

地域包括支援センターには「総合相談支援業務」「権利擁護業務」「介護予防ケアマネジメント」「包括的・継続的ケアマネジメント」の4つの業務があります。

■総合相談支援業務
高齢者に関する困りごとの相談を総合的に受け付けています。介護保険サービスや行政、医療機関などの垣根を超えて、必要な制度やサービスの紹介が可能です。
地域包括支援センターには専門職が配置されています。そのため、専門知識を生かして幅広い分野でのサポートが受けられることが特長です。

■権利擁護業務
 高齢者が安心して生活できるよう、あらゆる権利を守る業務です。虐待が疑われる場合は関係各所と連携を取り、法にもとづき対応します。予防や早期発見のため、虐待を受けている本人はもちろん、異変に気づいた地域住民からの相談に対応する業務です。また、高齢になると認知症などで判断能力が低下し、金銭管理が適切にできないケースも多数あります。詐欺や悪徳商法などの被害を防止するためにも「成年後見制度」や「地域福祉権利擁護事業」を紹介し、利用のサポートやアドバイスをする取り組みも権利擁護業務の1つです。なお「成年後見制度」は成年後見人が財産を管理するための制度です。一方「地域福祉権利擁護事業」では、社会福祉協議会が福祉サービスの利用を中心に援助します。支援の内容が異なるため、状況に応じて適切な制度を紹介するのも地域包括支援センターの役割です。

■介護予防ケアマネジメント
 要介護認定で「要支援」と判定された人や、要支援・要介護状態になる可能性が高い人に、介護予防の支援をしています。「要支援」と判定された人を対象に作成されるのが「介護予防ケアプラン」です。「介護予防ケアプラン」は適切な介護予防サービスを利用するための計画で、一度作成した後も利用状況などを確認して適宜見直されます。また、要支援の認定を受けていない人も介護予防の支援を受けることが可能です。

■包括的・継続的ケアマネジメント
 地域一体となったケアを実現するため、医療・保健・介護の専門家や地域住民との連携を推進する事業です。多様なネットワークを作ることで、高齢者をあらゆる方面からサポートできる体制を構築します。
具体的には地域ケア会議の開催、ケアマネジャーへの個別指導や相談、支援が難しい事例への指導や助言などを実施しています。